ミチクサダイアリー

飽き性を克服するべく、もう一度だけ挑戦することにしました。ブログ。

「くだらない悪ふざけ」と称して差別を内包したテレビ番組は許されるべきか?

この記事を読みました。
id:dobonkaiさまが「テレビを見なくなった理由」について個人的な感想を綴ったものです。

記事の後半では「視聴者の学級委員長化」が当たり障りのない番組の量産を招いたと指摘しています。

私の子供の頃はテレビでも普通に「おっぱい」が出てきた。
今のテレビではまず出てこない。

(『めちゃ×2イケてるッ!』の前身番組にあたる『殿様のフェロモン』の一コーナーである「快感!ハケ水車が回っているのは誰だ?クイズ」の映像が貼りつけられている。出演する3名のAV女優のうち、刷毛のついた水車が当てられている1人が誰かを当てるという内容。)

今ではとても許されないような内容の番組も多々あった。
そういった番組がドンドンと消えていって、今はお行儀の良い番組しか残っていない。
これはネットが発達したことで、一般人の発言力が高まったせいだと思う。
テレビで何かが起こるとネットの中でバッシングが巻き起こる。(上記事より引用)

id:dobonkaiさまは「ネットが発達したことで、一般人の発言力が高まった」ために「お行儀の良い番組」しか残らなくなったと書いています。
つまり「お行儀の悪い(低俗な内容を含む)」番組が制作されなくなったのだ、と。

低俗な番組を作ればテレビが面白くなるわけではないけれど、くだらない悪ふざけ的な番組すら許されないような環境下では、尖っていて興味深い番組が出てくる「余白」みたいなものがドンドンと無くなってしまっている気がしてならない。
昔ほどテレビ局にお金が無いのも一因だとは思っているけれど、視聴者の圧力というのは製作者側の手を縮こませる要因になってることは想像に難くない。(上記事より引用)

この指摘には「うんうん」と頷ける箇所もありますが、その一方でインターネットによって番組に対する「視聴者の圧力」が高まったという仮説の立証は難しいと考えられます。
というのも1998年、2001年、2011年の「27時間テレビ」では「快感!ハケ水車が回っているのは誰だ?クイズ」がちゃっかり「発水機能」や「バイブレーション機能」の追加などのテコ入れを経て放映されたようなのです。
ですからこの番組にだけ着目すれば、少なくとも2011年までは「低俗なコンテンツ」の完全排除には至っていないことがわかります。
当然、この年以降の番組制作に影響を及ぼした可能性も考えられますので、この点だけを取り上げて「インターネット別に関係ねーじゃん!」とは主張しません。ここでは上記の事実を提示するにとどめておきます。

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ところで、こうした「くだらない悪ふざけ」的なコンテンツを許さないという視聴者側の姿勢は「表現の自由を侵害する」として批判されるべきものなのでしょうか。

私個人の意見をぶちまけましょう。

私は、「くだらない悪ふざけ」と称して女性性を消費するような番組は非難されるべきだと考えています。
紹介した記事に貼りつけられていた「快感!ハケ水車が回っているのは誰だ?クイズ」の映像を私は非常に不愉快に感じました。
女性性を面白おかしいもの、くだらない悪ふざけとして消費している。このことに腹が立ったのです。

「いじめ」による自殺の報道で、「いじめ」の加害者が「ふざけていただけだった」「単なる遊びだった」などと話していたことが報じられることがあります。
「ふざけ」や「遊び」であれば許されたのでしょうか?そうではないと考える人が圧倒的に多いのではないかと想像します。

表現の自由」は当然、保障されるべきものです。
ただ、発表する作品が、それを鑑賞する側からどのように受け止められるかを考えることをせずに、好き勝手に公表していいという性質のものではないというようにも考えています。
テレビで放映するということは、あらゆる人がその番組を視聴することが可能な状態にするということです。
番組の制作・放映に関して「NGワード」や「映してはならないもの」が設定されるのはこのためで、視聴者の圧力に屈しているからではありません。

私が懸念しているのは「悪ふざけ」を無条件に容認することで差別が生まれることです。
性感帯を刺激されている状態の女性を面白おかしく消費するといったコンテンツは、「女性とその身体は弄んで楽しんでよい」という類の女性差別を生む可能性が想定できます。
人権を侵害する差別を「表現の自由」という言い訳で容認することはあってはならないことだと私は考えています。

この番組にMCとして出演していた女優の常磐貴子さんは、番組の最終回で「もうバラエティに出ることはない」と話し、実際にそれ以外のバラエティ番組には出演をしていません。
もしかすると女性の性を面白おかしく取り上げる番組に対して不快感を覚えていたのかもしれません。これは私の推測に過ぎませんけれども。

元テレビっ子としては、また昔のようなワクワクするようなテレビが戻ってきてくれないかなと願うばかりだ。(上記事より引用)

ワクワクするようなテレビ番組の内容に「差別」が内包されていないかを考えられる人だけがテレビを見ているわけではありません。私たちはこのことを前提にしてメディアについて考えていく必要があると思います。

 

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