21歳の私がスキップをしながら投票所に行く理由 私の両親と3つの「いけん」の話
「投票ができるのは大人の『権利』だけど、絶対に棄権はしないように。ちゃんと投票に行ってね」
私の両親は、私が幼い頃からそのように言い聞かせてきました。
本日4月12日と4月26日の2回に分けて行われる第18回統一地方選挙。
1回目の今日。もちろん、投票*1へ行ってきました。
本日の記事のタイトルは「21歳の私がスキップをしながら投票所に行く理由」としました。
ただ、その理由はすごく単純です。
私にとって選挙とは「楽しい」ものだから。これだけです。
では、いったいなぜ選挙が「楽しい」もの、「わくわくするもの」だと認識できるようになったのか。
今回は、投票所へスキップで向かう(やや風変わりな)若者を育てる方法を伝授します。
◆選挙に関わるローカルルールがある我が家 ~2つの「いけん」を守り、1つの「いけん」をなくすために~
教育に非常に高い関心と意欲を持ちながらも「放任主義」を貫いてきた私の両親。
厳しいルールで子供を管理する家も世の中にはあるのかもしれませんが、我が家はそうではありませんでした。
そんなルールの少ない家でしたが、「選挙」に関しては3つのローカルルールがありました。
- 投票の棄権は絶対にしない。
- 家族であっても「どの政党を支持するか」「誰に投票したか」は明言しない。
- (基本的に)家族みんなで投票所に行く。
この3つです。
まず1つめ。これは記事の冒頭にも書いたとおりです。
「投票したところで意見が反映されないと思っている人もいるが、それは違う。投票しない人の声に耳を傾けてくれるはずがない。まず、できるだけあなたの話を聞いてくれる人を選んで投票しなさい。もし『私の話を聞け!』と怒るならば、そのあとのことだ」
私の両親の教えはこうです。納得がいく内容だったのでこれに素直に従っています。
2つめ。家族であっても支持政党、投票した候補者を明らかにしない。
「家族であっても、それぞれが一人の人間。自分ではない、他人にすぎない。支持する政党・候補者を明らかにしないのはそれぞれにとっての『自分の意見』を尊重しあうためだ」
私の両親はかなり仲がいいです。それでも絶対に支持する政党・候補者の名を明らかにすることはありません。
幼かった頃は「なかよしのお父さん・お母さんでもお互いにナイショのことがあるんだ!」と驚いたものです。
今ではその理由がよくわかります。相手を尊重するからこそ言わないということもあるんだということが。
(ちなみに「支持政党・投票した候補者」の名前は明らかにしないまでも、ニュースを見ながら政治についての意見を交わすことは習慣になっていました。)
3つめ。家族みんなで投票所へ行く。
「家族の足並みを揃えることで『行き忘れ』を未然に防ぐため」
家族全員で出かける予定を立てることで互いに声をかけ、選挙へ行き忘れることを防ぐ目的があったそうです。
そしてこれは「投票所に行くのは当たり前のことだ」という意識を私に植え付けるのに十分な役目を果たしてもいました。
両親はこの3つのローカルルールのことを「2つの『いけん』を守り、1つの『いけん』をなくすための決まり」と呼んでいました。
2つの『いけん』とは「意見(異見)」のことです。
- 自分の意見を反映してもらえるように働きかけよう。
- 相手の意見を尊重しよう。
この2つが守るべき「いけん」。
そしてなくすべき「いけん」が「行けん」です。北九州で使われる方言で「行けない」の意。
つまり「行けない」をなくそう、というわけ。
私はこのルールをとっても気に入っています。理由も納得ができますしね。
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◆選挙に行く=楽しい という印象を抱かせるテクニック
ここまで、我が家のローカルルールを紹介しました。
しかしながら、これだけでは私がなぜ「選挙を楽しいものだと認識しているか」がわかりませんよね。
これもやっぱり両親のおかげです。
私の両親が使ったテクニックを2つ紹介しましょう。
先ほどのローカルルールと組み合わせると、投票への意識が高い若者が生まれる…かもしれません!
- 投票所に漂う「非日常感」を体験させ「どきどき・わくわく」の感情を引き出す。
投票所は近所の小学校でした。未就学児の頃は「小学校の敷地内に入る」だけでもどきどき・わくわくしたものです。小学生の頃は「普段体育の授業で使っている体育館にブルーシートが敷かれている」いつもと違う感じを楽しみました。中学校に入ってからはもう卒業した小学校に再び足を踏み入れられることに心を弾ませました。私の両親はその「どきどき・わくわく」を引き出すちょっとした声かけがとても上手でした。「何があるかな?」「いつもは何をやってるの?」とかそういうのですけど。 - とても楽しそうに投票所へ向かう。
私の両親はこれを徹底していました。もしかするとだるかったかもしれません。しかしだるそうな素振りを見せたことはありませんでした。意識的にそうしていたと思います。私が忘れられないのは1997年1月(当時4歳)の北九州市議会選挙のときの思い出です。両親は、スキップができるようになったばかりの私の手をとると一緒に「スキップ」をしながら投票所へ向かいました。私が今もスキップをしながら投票所に行くのは、このときの記憶がとても楽しかった思い出として残っているからです。馬鹿らしいと笑われたらそれまでですが、私にとっては大切な思い出なのです。
これだけです。それでも私の中には「楽しかった思い出」として選挙の記憶がインプットされています。
この効果は絶大で、今日に至るまで私は「選挙ってたのしーーーい!!!」と本気で思っています。
以上が投票所へスキップで向かう(やや風変わりな)若者の育て方です。
皆さまの参考になれば幸いです!!
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*1:宮崎県議会選挙