ミチクサダイアリー

飽き性を克服するべく、もう一度だけ挑戦することにしました。ブログ。

どうしてキレイになりたいの?「痩せすぎ」モデル禁止法案とLUMINEのセクハラCM

フランス議会が「痩せすぎ」モデルの雇用を禁止する、保健法の修正案を審議しています。

<記事概要>

フランス議会が保健法の修正案の審議を始めた。内容はモデル事務所に対し、体格指数(BMI)が一定基準を下回る「痩せすぎ」のモデル雇用を禁止するというもの。所属する各モデルのBMI値が健康とされる基準を満たすことを証明する医師の診断書の提出が義務付けられる。

法案を提出した社会党の議員は3万人超のフランス人が拒食症に苦しんでいることを指摘し、「女性が美しくなってショーに出るには病的に細くならなければいけないという、ファッション業界が振りまくイメージは非常に強い社会的影響を持っている」と訴えている。

拒食症を容認する内容のWEBサイトも違法化する方針。「必要以上の細さを美化する」ことを犯罪とみなす。

なお、これまでに過度に痩せたモデルの起用を制限する法律がスペイン、イタリア、ベルギー、チリ、イスラエルなど複数の国で既に成立している。

私はこのニュースを非常に好感的に受け止めていたのですが、反響はあまり大きくないようです。

一方、こちらの記事はたいへん注目されています。
よく私のブログでも取り上げるid:pokonanさまのブログ記事です。

内容は私がまとめるまでもありません。
LUMINE(ルミネ)のセクハラCMに対する怒りをセクハラ混じりにぶちまけてあります。
(セクハラへの怒りを出演男性の容姿を揶揄するといったセクハラで表現しているところは皮肉だと思っておきたいです。)

そしてこの記事についているはてなブックマークコメントの中で、私が注目したのはid:ke-ta31さんのコメントです。

内容はあれだけど、オシャレってモテる為にするもんじゃないの? 異性によく見られたいって欲求が根拠なんだと思ってた。 だからおいらはオシャレになれないのね。

だから自分はオシャレになれない、というところまでコメントされていたので個人的には好印象。

ただ、ke-ta31さまが何気なくコメントしている「オシャレってモテる為にするもんじゃないの?」という考え方。
ke-ta31さまに限った話ではなく、何気なくこのように考えている方がそこそこいるのではないかな?と想像します。

最初にフランス議会が保健法修正案を審議しているニュースをご紹介しました。
私は、この保健法修正案が可決されることを期待しています。
それは女性が美しくなりショーに出演するためには病的なまでの細さを求められるということを問題視したためです。

しかしながらこのニュースに対してついたコメントには「ぽっちゃり位のほうが俺好み」といったものもちらほら。
これは女性のオシャレを男性のためのものと勘違いしている人が存在することを示しています。
ke-ta31さまの「オシャレってモテる為にするもんじゃないの?」という何気ない疑問もこうした考えに基づいています。

人は、異性のためにオシャレをするのでしょうか。
オシャレをしてキレイになりたい!という人は、どうしてキレイになりたいのでしょうか。
「キレイになりたい」理由のひとつには「自分の着たい服を着こなすため」ということが挙げられると思います。
オシャレ=モテる為にするもの、などと誤解されている方にはこの点を強調してお伝えしておきたいです。

Yahoo!ニュースの記事につけられたコメントでも、そのことを指摘しているものがありました。
zyx*****さまのコメントをそのまま引用します。

モデルが着るような衣装が、そもそも痩せすぎの人用に着られる・似合うデザインをされているんですよね。
この点も解決しない限り、この法律はあまり意味がないですね。

これが「自分の着たい服を着こなすため」に過剰なダイエットをする女性が絶えない原因のひとつにあると考えます。
というのも私自身が実際に「着たい服を着こなす」ために痩せすぎた経験をしているからです。

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それがまだ成長期が完全には終了していない高校時代のことでした。
当時の身長は163cm、体重は43kg前後をうろうろする感じでした。
今は標準体重のおよそ58kgをキープ*1、そこから大きく増減しないようコントロールしています。
思い返せばあの頃は非常に体が弱く、ちょっとした環境の変化ですぐに具合を悪くしていました。

そこまでして「痩せすぎ」の状態を保ってオシャレをしようとしていたか。
それは着たい服がよりにもよって上下セットだったりしたことがあったためです。

私が就活のために購入したスーツの上は9号、下は13号です。11号が飛んでいます。
要するに、私はお尻が大きいのです。「安産体型だね~」なんてよくいわれます。
実際に安産するかどうかは産んでいないので知りません。
あの頃、上下セットの服を着たかったのにサイズが1つ飛ばしなことが災いして着られなかったことがあったんです。
そこからはもうやけくそで、無茶なダイエットに励んでいました。拒食症の症状もあったかもしれません。

話が逸れてしまったので元に戻します。

zyx*****さまはモデルの着る衣装が痩せすぎの人用のデザインである点を指摘しています。
これは私が上下セットの服を着たいというだけの理由で無茶なダイエットに走ったことからもいえることです。

要するに、痩せていないと着られないか似合わない服ばかりが「トレンド」として設定されているということ。
多様性ダイバーシティ)を考慮に入れない、ということの罪。
オシャレがしたいなら痩せていなければならないと事実上消費者に押し付けているわけです。
「着たい」と憧れる服はたいてい痩せていないと着られないか似合わないのですから。

LUMINEのCMでは「十分お洒落で綺麗な女性 (by id:pokonanさま)」がセクハラを受ける。
単なる仕事仲間であり、職場の華ではない…と男性から揶揄されてしまうんですね。
いったいなぜ職場で「華」として振舞わないことを揶揄されねばならないのか、と怒りを感じる内容です。
問題しかないこちらの広告。
もっとも大きな問題は「男性のためにオシャレをしない女性」を見下す視点が存在する点でしょう。
つまり「女性とは男性のためのオシャレを頑張るべき」と押し付けていることが非難されているワケ。

この構図は「痩せていなければならない」の押し付けとほぼ同一のものだと考えます。

怒りのあまり内容があっちこっちに飛んでしまっていますが、私が主張したいのは以下の点。

  • 「痩せすぎ」体型でなければ、着たいと憧れる服はたいていの場合着こなせない。このことはファッション業界が「キレイになる」「オシャレをする」ための行き過ぎたダイエットを支持あるいは容認しているとも言い換えられる。
  • 「女性とは男性から愛される(周りから評価される)ためにオシャレをするものだ」という考えの押し付けがなくなっていない。

つまり「痩せすぎ体型を維持すること」「男性から愛されるよう努力すること」が強いられているという構図。
女性のファッションを語るとき、こうした視点からの意見になっていないか?はよく吟味する必要がありますね。

最後に、Yahoo!ニュースからもうひとつコメントを引用しておきます。mrs*****さまのご意見です。

少しひどい言い方かもしれないが、パリコレなどのモデルは「プロフェッショナルな動くハンガー」なのだと思う。服を最も魅せるために体のラインが影響しないレベルの細さ。
私はこういうレベルのモデルというのはある意味「元々健康的なのだけど生まれつきとても華奢」という“才能”がある人がなるものだと思っている。
顔がよければいい話ではないし、誰でもなれるものではないと、世の若い女性たちに教えるべきではないかと思う。
才能があるものが選ばれてなれる仕事。だから憧れても、それになれないとわかれば、ムリに近づこうとすることもないのでは。

一般の商業モデルは「一般の方が着たらこうなりますよ」を示す指針なのだから、標準体型から外れていたら、そもそもその意味をなさない。
1タイプでなく、華奢、標準、ふくよかの3タイプくらいあって然るべき

誰でもなれるものではないと啓蒙する、せめて3タイプぐらいにはモデルを分ける。

多様性を認めていくための大切なステップだと思います。
ファッション業界主体で、ぜひこれを実施していただきたいところ。

 

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*1:この話をするとだいたい「そんなに太ってるようには見えない」と言われます。標準体重=太り気味という誤解もかなり厄介なものだと感じます。