ミチクサダイアリー

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『おかあさんといっしょ』の人形劇コーナーを検証!「にこにこぷん」「ドレミファ・どーなっつ!」も格差がひどい

【悲報】NHKの『おかあさんといっしょ』が残酷な格差社会の現実を描写!
と題したこちらの記事が話題になっています。


おかあさんといっしょ』内の着ぐるみによる人形劇コーナーでの「格差」描写に言及したものです。
この記事のブックマークコメントから「他のシリーズもこんな感じだった」などの意見が寄せられていたことから
おかあさんといっしょ』の人形劇コーナーについて調べてみることにしました。

 

◆『おかあさんといっしょ』歴代人形劇コーナー一覧

(以下はWikipediaより引用)

ブーフーウー(1960年9月 - 1967年3月)
ダットくん(1967年4月 - 1969年9月)
とんちんこぼうず(1969年10月 - 1971年3月)
とんでけブッチー(1971年4月 - 1974年3月)
うごけぼくのえ(1974年4月 - 1976年3月)
ゴロンタ劇場(1976年4月 - 1979年3月)
ミューミューニャーニャー(1978年4月 - 1983年3月)
ブンブンたいむ(1979年4月 - 1982年3月)
にこにこぷん(1982年4月5日 - 1992年10月2日)
ドレミファ・どーなっつ!(1992年10月5日 - 2000年4月1日)
スプーガタラット(1999年4月5日 - 2000年4月1日)
ぐ〜チョコランタン(2000年4月3日 - 2009年3月28日)
モノランモノラン(2009年3月30日 - 2011年3月26日)
ポコポッテイト(2011年3月28日 - )

上の記事で取り上げられている「ポコポッテイト」に関しての言及はしません。
この記事では、「にこにこぷん」「ドレミファ・どーなっつ!」での格差を中心に取り上げます。

まずは設定を確認していきましょう。

 

◆設定を確認!「ブンブンたいむ」あたりから雲行きが怪しい…

ひとつずつ設定を確認していきました。
しっかりもの、ちゃっかりもの、うっかりものといった性格の違いでキャラクターの差異化を狙う傾向は昔からのようです。
ブーフーウーはモチーフが「三匹のこぶた」なので弟はしっかりものである など)
しっかりしたキャラクターとちゃっかりした(ちょっとずるい)キャラクターが登場する割合が高めです。

「ブンブンたいむ」あたりから雲行きが次第に怪しくなってきます。
というのも、「ブンブンたいむ」に登場するいなりやま・つね吉というキャラクター…
驚くべきことに「この世の中でタダなものは空気だけなのよね」が口癖です。
とても子供番組に出てくるキャラクターのセリフだとは思えません

そして、次作である「にこにこぷん」からキャラクター間に致命的な格差が生じ始めます。

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◆「にこにこぷん」 袋小路じゃじゃ丸の悲劇

にこにこぷん」に登場する袋小路じゃじゃ丸(通称じゃじゃ丸)は
釣りにサーフィン、三味線、浪花節、木登り、カエルの通訳、ラーメン作りと、豊富な才能を持ちながらも
字を書くこと・読むことができず、数字を4までしか数えられません
さらには子供でありながら早朝の牛乳配達に従事する(児童労働)など、なかなかの苦労人です。

他に登場するキャラクター、ふぉるてしも・ぴっころ(通称ぴっころ)は
女性軽視の発言に対して顔色を変えて反論するフェミニスト
じゃじゃ丸よりは明らかに学がありそうな感じです。
とても気が強く、他のキャラクターはぴっころには頭が上がりません。

そして、じゃじゃ丸との致命的な格の差を見せつけてくるキャラクター、ぽろり・カジリアッチⅢ世(通称ぽろり)。
彼は有名な海賊ねこいらず・カジリアッチの子孫であり、
カジリアッチ家のならわしとして幼稚園の卒園後に船を与えられています
物語の舞台である「にこにこ島」にたどり着いたのも、祖先の隠した財宝を探す旅に出ていたためです。
これはひどい

 

◆「ドレミファ・どーなっつ!」 落ちぶれた元王子れっしーと母の代わりに家事をこなす青井空男

にこにこぷん」の次に放映された「ドレミファ・どーなっつ!」にも格差描写がみられます。
キャラクターの設定を見ていきましょう。

みど・わおーん(通称みど)
プードルの女の子。後述するふぁど・わおーんの双子の姉。裁縫と料理が苦手。気が強い。
どーなっつ島こども会に主導的に参加している。

ふぁど・わおーん(通称ふぁど)
プードルの男の子。みど・わおーんの双子の弟。手先が器用。計算が得意。気が弱い。
読書が好きで、ときどき子供移動図書館の手伝いをしている。

れおなるど・とびっしー(通称れっしー)
キノボリカンガルーの男の子。落ちぶれた元王子(父が王位を追われ、王族ではなくなった)。
自分の幸せを探すためどーなっつ島にやってきて、普通の子供として生活している。
自分で生計を立てるべく、日夜けなげに仕事に励んでいる
「木登りの得意なカンガルーだから靴は必要ない」という理由から他のキャラクターと違い唯一裸足にされている。

青井空男(通称そらお)
ゴリラの男の子。父親が働いていた鉄道が廃線になったため、転勤した父についていく形で引っ越してきた。
母親がいないので、父に弁当を届けたり家事全般をこなす
これもひどい。

 

◆まとめ

にこにこぷん」には上記事で話題になっている「ポコポッテイト」のムテ吉と同様に
文盲であり、児童労働に従事している袋小路じゃじゃ丸が登場しました。
「ドレミファ・どーなっつ!」では自分の幸せを求めて児童労働に従事する落ちぶれた元王子れおなるど・とびっしー、
母親の代わりとなって父親を助けるべく、家事全般をこなす青井空男が登場しました。
落ちぶれた元王子れおなるど・とびっしーを除いて、児童労働に従事するキャラクターは文盲です。

ただ、興味深いことに性役割分業意識の押しつけはあまり見られませんでした。
たとえば「ドレミファ・どーなっつ!」のみど。彼女は料理と裁縫を苦手としています。
「女性は料理・裁縫が得意であるべき」という考えがまだ完全には消え失せていない昨今において
こども向けの番組でステレオタイプに反するキャラクターが登場することは評価できることだと思います。
これと同じことが、母の代わりに家事全般をこなしている青井空男が男の子である点からも指摘できます。
家事労働をこどもに強いていることは非難されるべきですけどね!!お父さんしっかりしてくれ!!

 

というわけで思っていた以上に興味深い結果が出てきました。
またいろいろと検証してみたいです。