ミチクサダイアリー

飽き性を克服するべく、もう一度だけ挑戦することにしました。ブログ。

重要性増す一方、身近な存在になりきれない「病児保育」を考える

来年度から大学4年生になる私。
周囲が怪人シュウカツガー(口癖:就活が大変だ!)に変身していく中、
のんびりと卒業論文執筆に向けての取り組みを始めている今日この頃です。
学生の本分は学業だと思っていますので、まずは卒業するに相応しい論文を書き上げるための準備から!という考え。
もちろん、就職のための準備もそろそろやらないとまずいなあと思ってはいますよ!
ただ、ひとまずそれは卒論計画書仕上げてからの話なんだよなあ…と思っているだけで。

そんなわけで卒業論文のためにあれこれと文献を取り寄せては読みふける日々。
パクられると嫌なので卒論の題材について詳細を書くのは控えておきますが、
ざっくり言うと「こどもの社会化に関与するおとなの役割」に関連するテーマです。
ですから最近関心を持って読んでいるのは「こどもの教育」に関する話題が多いです。

さて、前置きが随分と長くなりました。
いくつかの記事を紹介しながら「病児保育」サービスについて考えてみたいと思います。

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◆「病児保育」の重要性が増すと考えられる理由

「病児保育」とは体調に不安のあるこども(病後も含む)を預かること。
病気のこどもは一般の保育施設では預かりを拒否されるケースが多いため、
子育て世帯、特に「共働き」で育児中の世帯の支援およびこどもの健康を守るためにあるサービスです。

これまで家事・育児の役割を一手に担っていた女性の社会進出が進むにつれ、
一般保育施設で預かりを拒否される「病(後)児」の保育が大きな課題のひとつとなています。

ちょうど、このような記事を読みました。


書き手の「僕」は40度を超える発熱を発端とする体調不良。
第一子がインフルエンザに感染し、保育園登園不可。
第二子は元気だけれど第一子のインフルエンザのためやっぱり保育園登園不可。
「僕」の妻は第三子を妊娠中。インフルエンザ感染を防ぐため実家療養してもらうことにする。
飼い犬が二匹いる。

病児保育にはいろいろとパターンがあって、病気のこどもを病児保育の施設に預けるパターンや
病気のこどものいる家庭に病児保育士が訪問して世話をしてくれるパターンなどがあります。
インターネット上でときどき広告を見かけていた漫画「37.5℃の涙*1」は後者のパターンでした。

37.5℃の涙 1 (フラワーコミックス)

37.5℃の涙 1 (フラワーコミックス)

 

インフルエンザのような感染力の強い病気について対応してくれるかどうか、
これは病児保育サービスを扱う施設ごとに異なっているようです。
利用前によく確認しなければなりません。

が、利用できたとしても定員がすぐ埋まってしまったり、そもそも施設の絶対数が少ないという理由で
このようなサービスを受けられない!利用できない!という方がたくさんいるということもわかりました。

 

◆「病児保育」が身近なサービスになりきれないワケを考える

病児保育を受けたくても受けられない人がいる…
ということは、サービスを提供できる人の絶対数を増やすことがまず必要です。
病児保育関連の資格でもっとも簡単に取得できるのが「認定病児保育スペシャリスト」の資格です。


詳しくはこちら↑のサイトに記載があります。

これによれば、資格を取るには

  1. 全13回のWeb講座で学習
  2. Web上で一次試験を受け、それに合格する
  3. 病児保育施設での実習(計24時間)
  4. 東京で年2回行われる認定試験(口頭試問2~3問とロールプレイ)に合格

という手順を踏めば良いようです。保育士の資格がなくても大丈夫なのがいい。
資格取得にかかるお金は実習費込みで7万5千円(税別)。

最初、かかるお金のところだけ見て「この資格取ろうかな」と思ったんです。
思ったんです…が、最後のところだけちょっと面倒くさすぎやしませんか?と。
言い方は悪いのですが、口頭試問2~3問とロールプレイ(実技)のためだけに東京まで行く必要があるなんて…。

(まさかと思うが実習先も東京の施設に限る、とかそういうわけではないと信じたい)

認定試験の会場は原則東京のみで、要望が多数あれば他の都市での同時開催も考えてくれるそうです。
正直なところこれではなかなか資格取得者が増えないだろうな、と思います。
「働きながら資格取得が目指せます!」と書いてあるのがただただむなしいです…。
都市にしか働く人はいないのか?と小一時間問い詰めてやりたい。

私としては、むしろベッドタウンとしての地方にこそこういう資格取得者が増えるべきだと思うのですが…。

たとえば、以下のような変更をすれば資格取得者は増えると思うんです。

  1. 全13回のWeb講座で学習
  2. Web上で一次試験を受け、それに合格する
  3. 病児保育施設での実習(計24時間)
  4. 病児保育施設での認定試験(年2回。時期は地域ごとに異なる)に合格

これでどうでしょう。
前提として、認定試験の試験官ができる人を増やしておく必要がありますが。
それが無理なら認定試験をWebカメラなどを利用した面接方式が選択できるようにするとか…。

とにかく、もっといいやり方があるんじゃない?と提案したい。
こどもの健康を守るため、子育てを支援するために必要な仕事である以上
資格取得者を増やしていくための方法をよく考えて欲しいです。

 

<結論>
子育て世帯、特に「共働き」の子育て世帯の育児支援のため「病児保育」サービスの重要性が増してきた。しかし、「認定病児保育スペシャリスト」の認定試験は東京でしか受験できない仕組みになっているため、資格取得者が増えにくくなっているものと推察される。これは「病児保育」が身近なサービスになりきれていない理由の一因となっている可能性がある。是正を求めたい。

*1:実はまだ試し読みしかしていないので、そのうち全巻まとめ買いしようと思っています