ミチクサダイアリー

飽き性を克服するべく、もう一度だけ挑戦することにしました。ブログ。

本屋で戸惑う「初心者」と「書店員」のゆくえ~書店員は「プロ」になれるのか?~

大変多くの反響をいただいている、昨夜更新したこちらの記事↓

ブックマークコメントやTwitterからいくつかご意見をいただきました。
紹介してみたいと思います。

初心者に「少し熟練者になれ」って言うよりは、最近テレビで紹介された本が何かってとこにリーチしてくれる情報サービスが発達すべきと考える派です。(id:PowerEdgeさまより)

「今朝の新聞の書評欄で掲載されました」というコーナーを設置している書店なら見たことがありますね。
母の勤務している書店では、従業員が自主的にテレビを見るなどして対応できるようにはしているようですが
すべての情報を網羅し、素早く応対することはまだまだ難しい…というのが現状であるようです。

「今朝テレビで見た本(タイトル・著者不明)を買いたいんですが、どれですか」←この問いから派生させて、ヒント積み重ねて正解に辿り着くかは書店員の腕の見せ所ですよっと。(id:fiblioさまより)

そもそも著者名やタイトルを控えるような人は、お気に入りの店でなければネット書店で買うと思う。トンチンカンな質問を手掛かりにお客さんと一緒に探しものを見つけ出すのがプロのリアル書店員の腕の見せ所なんじゃ。(id:chico_chicaさまより)

なるべくそのようなサービスが提供できるよう、書店側も尽力しているようです。
ただ、ご理解いただきたいのはお客様はひとりだけではないということです。

こうしたお客様の要望に対し、的確に応じるためには時間がかかります。
その間、店員は通常業務が出来なくなりますので、今度は他のお客様から苦情が出ることに繋がります。

私が先日の記事で「著者名・タイトルいずれかだけでも控えをとるといい」と書いたのは、
「ほんの少しの工夫で、お互いに素早く目的にたどり着ける」ということを知っていただきたかったからです。
それを「やれ」と強く言っているわけではありません。
むしろ逆で、どのようなサービスを提供出来るかが、書店の生き残りのカギを握るのでは?と書いています。

しかしながらさきほども書いたようにお客様はひとりだけではありません。
「書店員の腕の見せ所」とありますが、母の勤務する書店(デパート最上階フロア全面)では
社員が2名のみ、それ以外はすべてアルバイト・パート勤務の従業員です。
さらに、そのうちのほぼ全員が子育て中の主婦、または学生のいずれかに属するそうです。
自主的に情報を仕入れておくのは勤務時間外での話になりますが、それが出来ない従業員も多いとのこと。

「書店員の腕の見せ所」という言葉を受けてちょっと閃いたのですが、
そうしたお客様の接客を主な業務とする店員がいれば、もしかするとうまく対応できるかもしれません。

また、もう少し考えられることとしては
メディアで扱われた商品についての情報を、店員間でうまく共有する仕組み
あればいいのかな、と…。
従業員の入れ替わりが激しいのにも関わらず「自主的に仕入れた情報」に頼って
サービスを提供し続けるのは、とても難しいことだと思います。
ですからメディアで扱われた商品についてのリサーチを担当する人がいて、
なおかつそのリサーチ結果を店員が共有す…というのが長い目で見たときの理想解かもしれません。

 

最後に、Twitterでいただいたこちらのご意見を紹介します。

この方は元書店員だそうです。

「鈴木さんの書いた面白い本はどこ?」
「1年位前に出た赤っぽい表紙の本をください」
これを尋ねられたとして、自分ならどんなサービスが提供できるか…。

ちょっと考えてみたんですが、非常に難しいですね。
特に「面白い本」というところが難しいです。

「鈴木さんが書いた(面白いかどうかは知らない)」
「1年位前に出た赤っぽい表紙の本」
この2つを同時に満たせそうな商品であれば
パソコンで検索をしてなんとか見つけることができましたが…

 重ね重ね申し上げておきますが、面白いかどうかは知りません

 

<結論>書店員が「初心者」のために「プロ」のサービスを提供するためには、そのための下地作りから行う必要がある。具体的な策に、「初心者」の求める商品のリサーチ・「初心者」接客を主要業務とする店員の配置が考えられる。

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【追記】
この記事の執筆中に、共同通信が以下のニュースを報じました。


騙されないでいただきたいのですが、10代の「リアル書店」利用率が高く見えるのは
本のネット購入ができる10代が少ないからです。
10代って10歳~19歳ですよ?自分名義でネットから購入するのはせいぜい18歳、19歳ぐらいだと思います。

40代でネット購入が多く見えているのは子供の本を親名義で購入しているケースも含むためでしょう。
10代の子供の親の多くがだいたい40代前後でしょうから辻褄は合うかと。

ですから、この記事を受けて「リアル書店」利用者は10代が多いようだから10代を想定したサービスを…
などと考えるのはものすごく的外れです。

年代で考えるのではなく、「求められているものが何であるか」に焦点を定めることが重要であると考えます。

なんだか紛らわしいニュースだなーと思ったのでついでに解説しておきました。